May 08, 2006
久しぶりのハードウエア関連の話
今まで使っていたRAID(「レイド」と読みます)環境の120GBがいっぱいになってしまって、にっちもさっちも行かなくなってしまったので、新たにRAID環境を追加構築した。今までのRAID環境には、WBSなどのiPod用の動画ファイルを保存しておこうと思う。
仕事のデータなどの消えると困るデータを普通のHDD=シングルHDDに「だけ」保存しておくことほど危険なものはない。
多分、定期的にDVDなどにデータをコピーしている人も多くいるだろう。それは非常に確実な手段なのだが、fixしていない案件などで「明日のデータ」のデータの修正や再利用を考えると、DVDに保存しておく仕事も手間だし、何より忙しい時におろそかになりがちな、この仕事、そういう時ほど危険なものはない。最低限HDDを冗長化(2台以上のHDDにデータが保存されること)しておくに超したことはない。この辺を自動的にやってくれるのがRAID環境である。
データを失う悲しみは、データを失ったときにはじめて理解する。それが故にデータの保存は慎重になったもの勝ちであるというのは、経験者談。
今回は、以下の構成を購入してみた。
■RAIDカード
Adaptec 1420SA
RAIDでミラーリング環境を作るための高信頼性のカードである。Adaptecのカードは同一スペックだと他社に比べて値段が高いのだが、Adaptecは信頼を金で買うというシロモノだと思う。ただ、このカードはAdaptecの製品の中でも1万5000円程度の安価なカードなので、高いと言っても絶対金額的に高いわけではない。
ミラーリングとは2台のHDDに同じデータを書き込んでくれる機能である。もし一台のHDDが壊れても、もう一台あるのでデータは失われない。ミラーリングだけなら2台の同一容量のHDDを購入するのが良い。容量が異なる場合は、少ない方のドライブに容量が合わせられる。
また、ホットスペアという機能があって、未使用のHDDを一台ぶらさげておくことで、もし一台HDDが壊れるとただちに、未使用のHDDにデータを書き込むことで、常時2台のHDDがミラーリングされた環境を保ってくれる機能がある。このカードには4台までのHDDを繋げることができる。ミラーリング+ホットスペアの構成は3台のHDDが必要となるが、本当はこの構成が一番安全だ。
信頼性レベルならRAID5+ホットスペアと変わらないと思う。(RAID1も5も2台壊れたら死亡というところから。)
■HDD
Maxtor MXT-7V300F0
ちゃんとHDDにもファイルサーバなどに向いた信頼性重視のHDDというものが存在する。
今回購入したのは、その中の一つ、「Maxtor MXT-7V300F0」という300GBのHDDである。
300GBというのもイマドキ中途半端だが、400GBとなるといっきに価格帯が上がるので、お買い得価格帯を買い繋いでいくというコンセプトで、2台購入した。
ところでミラーリング環境=RAID1を組むときの構成であるが、自分のマシンはOSが入ったブート用のHDDとRAID環境のデータドライブを分けている。つまり、最低ブートドライブ1+RAID1の2台で3台のHDDを搭載している。今回は更に既存の構成の2台があるので全部で5台のHDDが搭載されているのだが、普通のマシンでは3.5インチベイには、せいぜい2台までしかつけられないのではないだろうか。
先日購入したデルサーバのPoweredge SC430という安いサーバも2台しか載せられない。サーバと語っておきながらなんのこっちゃと思っているのだが、3台のHDDを載せるにはちょっと工夫がいる。
オススメなのが5インチベイに3.5インチのHDDをつけるアダプターである。一番、安価なのはそういう機能を実現する金具を購入してくることだが、よく考えると5インチベイの前面にフタをしてしまうと、空気の通り道がなくなってしまうので冷却が非常によくないのではないかと思った。
そこで、よくある着脱可能なリムーバブルベイを購入したらどうかと考えた。これならアルミ製ボディと冷却ファンがついている。ただ、HDDがケースにしまわれることは、そもそも冷却にとって不利なのではないかと。
できればもっとシンプルなのが良いなぁと思っていたら、以下のアダプターを見つけた。
これはHDD側にアダプターを必要としない。HDDを出し入れするだけでコネクタにさせるというアイディア商品だ。
というか、Webサーバなどに使われるHPなどのラックマウントのサーバでは、この手の機構は普通に存在していて、それを真似しているように思える。リムーバブルベイがゴテゴテのケースに囲われてしまうことに比べたら、シンプルで良いし、何よりホンモノっぽくて格好いいと思った。前面に通気口があるので、空気の通り道も確保されていると考えている。
■バックアップツール
作業用マシンから、データをバックアップするわけだが、通常Windowsのネットワークドライブ経由でバックアップするものと思う。その場合は、explorerを使ったコピーペーストではなく、最初は面倒でもバックアップツールを使った方が安全だ。バックアップに失敗したファイルのログなどを取ってくれるので、後からフォローしやすいし、何より制作の人は、Macのデータがまざっていて、うざいダイアログが大量に出てくる事態を避けられる。
また更新されたファイルだけをコピーしてくれるので、日々のコピーが高速になる。手持ちの作業用マシンのデータフォルダをファイルサーバにミラーリングしておくイメージでバックアップが取れる。
バックアップツールでオススメなのは、Real Syncである。
他にもバックアップツールは評価したが、これが一番わかりやすくて安全だと思った。ファイル同期ツールは、設定如何によっては手元のデータが消えてしまうこともあるので、機能がシンプルでわかりやすくいことは非常に重要なことだ。そういう意味でオススメである。
また、コマンドラインから起動できるので、タスクスケジューラを使ったバッチ起動もできるし、アプリケーション上でもタイマーを設定しておけば、自動で毎日バックアップさせることも可能である。この辺は使い方で簡単にも高度にもできる。
■ファイルストレージ専用機(NAS)を使わないメリットは?
正直言って、TeraStationは魅力的だ。RAID5のファイルストレージで5万円ちょっと
上の構成も300GBでも5万円ぐらいはかかってるので、あえて自分で組むなら、Terastationを買ってきた方が遙かに早いしお買い得だと思う。
この辺は、HDDレコーダー vs パソコンのTV録画と同じかなぁ。
あまりメリットないんだけど、PCで組んじゃったから後に引けないみたいな。
ということで、もしPC環境を生かすなら、Adaptecの構成をオススメします。
そんなのを作るのは面倒だけど、ちゃんとしたバックアップ環境が欲しいならTeraStationのRAID5の奴をオススメします。(TeraStationが5万で買えることを今知ったのです。)