April 15, 2006
Web2.0というキーワードがこの4月あたりから表舞台において相当ブレイクした感があるが、すでに情報としての飽和状態を超えたという声も聞こえてくる今日この頃。
ノリとしては、Web2.0を既存のビジネスにどうやって取り入れるか、3分でわかるWeb2.0と言った物で、フォロワー向けのビジネスセミナーがいっきに出てきたと言うところであろうか。技術系セミナーやイベントというのは情報として価値がある・・・つまり、そのものが十分に普及していないからこそ開催されるものだから、本格的にこのコトバが一般化していくのはこれからなのだろう。
ただ、アマゾンを日々使っていながら、そこで起きている変化に何も感じられなかった人たちが、Web2.0なる概念を取り入れるのは難しいと思う。
アマゾンは2001年ぐらいからアフィリエイトをやっていたし、その後のblogの関係、アマゾン側が用意するレビューから、ユーザーレビューに切り替えていっていたし、google apiにせよアマゾンWebサービスにせよ、ずいぶん前の話であり、そういうのをもろもろまとめてWeb2.0だと言うのであれば、今更、「Web2.0って何ですか?」という話ではない。
もちろん、「Web2.0というコトバって何ですか?」を理解して、あぁあのことだったのねと結びつくのであれば問題ないのかもしれない。でもそうでない人が明日からWeb2.0を始めましょうというのはありえない。
Web2.0というコトバのBuzzではないところは、多くのネットに関わる人が漠然と感じていた動きが文章で明示化されたところにある。
もしWeb2.0というのは何か?と聞かれたら、それは「価値観」であると答えるかもしれない。Web2.0たる7つの要素とか言われる実装は、それぞれの価値観のアウトプットでしかないから、アウトプットを見たところで、ma=fという公式から運動方程式が理解できないのと同じく、価値観を理解してない限り、なんの意味もない。(だから理念なきapiの公開とかは無意味である。)
僕が使うWeb2.0というのは価値観が変わっていたことが明示的にされたということの表現である。新しい仕様でも、新しい動きでもない。多分、F's Garageというblogで書いてきたことを総体する表現というイメージである。(うんうん、そうそう、そんな感じ、よく言ってくれた、というもの)
価値観の変化には、経営のプライオリティの変化をも求められる。それがWeb1.0企業と2.0企業という表現に表される。つまり経営の変化ができるか?できないか?というレイヤーでものを考えなきゃいけないと思ってるるわけだが、お金のもらい方も含めて今までで変わってないところが、今から変わるかとは思えないなぁと思うからこそ、二重にうさんくさく思えてくるわけだ。
Web2.0を肌で感じるためには、例えば、経営者レイヤーの人が2ちゃんねるあたりでやりとりをして揉まれている前提条件ぐらいは必要なんじゃないかと思うので、もしあなたが経営者で2ちゃんねる?あぁオタクの集まりね・・・としか考えていなかったとしたら、自己の価値観を変えるべく、今とは違う人たちを重役に登用して、その人に変革を任せ、あなたはその人のやることを社内の抵抗勢力から守ってあげる役割に徹した方が良い。そうじゃないと会社は簡単に変化はできない。
最近、自分の中で明示化されてしまったことがある。
1.既存の権威たる大企業にまったく興味がなくなってしまった。
2.既存の権威な人、とりわけトップにいる人たちは、多分、Web2.0という価値観を理解するのは無理だろうなぁ・・・周りの重役も含めて、Web2.0志向から見たときに裸の王様になってない?
僕は、既存の権威たる1.0なビジネスというのも普通に続いていくと思っている。2.0、3.0なる世の中になるとすれば、そういうのと得意とする企業がレイヤー構造として、新しい役割を担っていくだけだろうなと思っている。当然、いわゆるエスタブリッシュ層に対して優位性が出てくる企業も出てくるわけで、それがまさにgoogleでありamazonなのは、梅田さんの本を読めば十分に理解できることであろう。
ここ半年で変わった価値観の前は、漠然と「SIerでJavaとかあたりをキーに、お世話になるのも良さそうだけど、なんかいろいろ面倒で大変だけど、デカイ仕事はできるなぁ」・・・とか選択肢の中の一つとして考えていたが、今では、そういう会社に全く興味がなくなってしまった。
あちら側とこちら側という言葉が、価値観にあるとすれば、僕にとってのあちら側という存在になっている。
ただ、それではなんか世の中面白くないし、結局、楽しく自分らしく生きるための抵抗勢力になりかねないので、世の中は変わっていって欲しいが、僕がそれを言う立場ではないけど、みんなで新しい物を取り入れて行こうよ。そんな感じである。
先日、社内の機能追加のMtgで、僕以外の人が、ある仕様の本質をついた機能追加の提案をしてくれた。もともと僕が言い出しっぺの機能だったのに、僕以外の人がそれを生かすような提案がでてきたことが、後から考えれば考えるほどうれしくなってきた。多分、Webを使って商売している我々が、そういう価値観でものを考えること、そういうのがWeb2.0なんかで表現されていることに近い本質なんじゃないかなって思った。(別に自分たちが2.0だのなんだのと言うつもりはなくて、透過的にユーザーの方を向いていたり商売のことを考えて、自然とたどり着いたこと。そんなイメージ。)
さて、今の僕が行きたいなと思う非常に数少ない会社の社長方々のトークショーに行くので、まともに推敲せず上げてしまいます。ひょっとしたら、後から見直してCNETの方にも転用するかもしれませんが、ここがベータ版で、リリース版をCNETにあげるとかそんな感じになるエントリーもあるかもね。