February 13, 2006
梅田望夫さんの本の話題が大人気な今日この頃、なんとなく地味な装丁に埋もれているこの本を紹介したいです。
ソフトウエア開発に関わる人にはオススメ。というか、幅広いソフトウエア感を身につけたいと思ったら絶対読んどけ(w
Joelさんという本MSでExcel開発に関わった人のblog本。アジャイルって難しいとか、仕様書の書き方、スケジュール見積もりの仕方、Unicodeとは?なんてところから、blogなだけに、とても参考になる幅広い話が書いてあるんだが、以下、一番共感したところは、
「二文化主義」という文章があって、Unix文化とWindows文化について触れてるんだけど、その違いとは、
・Unix文化は、他のプログラマにとって有用なコードに価値を置く文化である。
・Windows文化は、プログラマでない人たちにとって有用なコードに価値を置く文化である。
という内容がある。
僕は昔から何故か、身の回りに賢いUnix文化の人たちに囲まれる中、一人でWindows文化をつらぬくために、彼らを説得し続けていた立場だったりします。(これは客観的に見て、幸せなことです。)
情報設計なんてのに興味を持ったのも、Windows的なところを追求したかったからなわけで。
はっきり言って、彼らのエレガントで正論に満ちた原理原則論を説得するのは凄く大変な話なので、この章にはひどく共感しました。
でもUnix文化の原理原則論では、すばらしいアーキテクチャは作れても、マージおばさんを喜ばせるようなことは絶対にできないというのを前からずっと思っていたので、この本にそういうことが書いてあってうれしかった。
また、この本で語られる、新機能とバグ修正の考え方ってのが、「mixi ID1万番以下切り捨て、ライブドアのインスパイヤと株式市場」で書いた、新機能追加 vs 機能改善という話にもリンクしています。一般論としてバグは、それを直すコストと直すことで得られる収益やメリットとを比較して直すべし・・・とか、ある意味当たり前だけど、すごく役に立つ話を読むことができますよ。
特にアメリカの製品ってのは、バグを卑下しないというか、仕方ない的考え方が徹底してますよね。MSにせよMacromediaなんかにせよ、そのバグが大多数のユーザーにとって致命的でなく、かつマーケットシェアを落とさないのであれば、製品として問題ないと解釈するところが、すごくドライですよね。
(で、この方は、あえて自分たちの製品品質に自信を持つために、全部のバグを直したという記述があったりして。そういうのがblogっぽい(笑))
あのですね。あくまでマニアックな視点ですが、結構、笑えます。
電車の中で思わず笑ったのはこち亀以来かも。