September 22, 2005
うーん、この記事で言われていることは納得がいかない。
変わったのは価格だけじゃん。フラッシュメモリが持つ強みは前となんら変わらず、しかも、たかだか価格が1/2になったぐらいで大騒ぎするなら、HDDなんて最初から消える運命だったんだから、それに対応できてない産業界が大甘なのでは?
そもそもフラッシュメモリーが高くて困るねぇなんて、何年も前から言われていたことで、携帯電話の定額制が同じようにモバイルが実現できない壁の一つでしたから、ようやく動いたか・・・ぐらいのものだと思うわけなので、それで困るのは準備不足としか言いようがない。
フラッシュメモリー採用「iPodナノ」の衝撃、HDDが消える日
フラッシュメモリーの採用が広がっていくことで、より簡単に小型で薄いモバイル機器を作れるようになる。つまり、日本企業が得意としてきた小型化の技術だけでは、製品の差別化が難しくなってくるわけだ。
小型化、高密度、高精度がコストに寄与するというのはフラッシュメモリーそのものにも当てはまるじゃないか。
素人意見だから言えることだと思うけど、価格のリーダーになれないのは、その努力をするつもりもなかったんじゃないかと思うわけだが。
それとも高い価格が維持されてしまうのは、フラッシュメモリを活用し、コストを下げる大口顧客がいなかったという構造的な問題なのかな。
アップルのiPod戦略の強さは、モノの価格は消費者が決めることというのを地でいく戦略、交渉力の力なんでしょうね。そもそも携帯に向かないと、日本の組み込みエンジニアがハナから相手にしてなかったHDDを携帯するようにしたのはアップルですから。HDDナビが製品的にOKになったのだって、アップルのおかげじゃないですか?さらに高価格で使えなかったフラッシュメモリを実用価格に落とすのもアップルの力ということか。ふーん。
つまり言いたいのは、この記事のように価格が下がっちゃって、商品の差別化ができなくなって困りましたね・・・なんて受け身な見方じゃなくて、如何に新しい提案を、部品メーカを巻き込んで組み込み製品として提案できるか?をあらためて考え直してほしいということ。
モバイルが「なんでもあり」のPCの延長線で期待が大きくなって、確かに携帯電話では不良を出したり、返り討ちにあったりもしていたけど、あれは機能詰め込み過ぎの自信のない商品戦略が招いた悲劇ということで、そこはめげずに、もっともっとシンプルかつダイナミックにチャレンジしてほしいんですよね。
そうじゃないと携帯電話市場すらグローバル戦略の流れのもとiPod互換製品の一人勝ちなんて時代もバックミラーの後ろの方に、ちょっとだけ見えてきましたよ。今の携帯電話は、まだまだPC98と同じようなもの。まだまだ機能的には日本の携帯は国内ニーズにおける性能優位性が高いと思いますが、いつまでも捨てられないらしい無駄な機能に検証コストをかけすぎているようにも見えますから、ある日を境に98と同じことを繰り返すのではないかと。
ちなみに10GBのフラッシュメモリ搭載機が、現状のiPodぐらいの価格になったら、今のiPodから移行すると思います。8GBが出たら、かなり考慮しますが個人的にはギリギリのラインかな。今は、たかだかだShuffleの2倍の容量でしかないですから。