July 08, 2005
自動改札のセンサの位置と開閉ロジックを知っている者と知らない者の間にはマリアナ海溝ほどの溝がある。(ってマリアナ海溝って何?)
前述の定期券の問題で間違った定期券を自動改札に挿入し、「この定期券は使えません」の後、センサの反応をはずして(?)数秒待つと扉が改めて開くと思われるが、この音声処理を待っている間の、後ろの人からの冷たい視線を浴びている時間は無限大である。
センサの位置と、何秒待てば扉が開くか?を知っていれば、そんなことは思わない。それは適切にセンサから反応をはずし、n秒待つか、音声再生処理などを確実に待てば開くという確信があるため、その情報に身を委ねれば良い。
この立ち位置の違いは、精神的余裕が全然違う。
重要なのは、もはや自動改札のエラー処理ロジックを知っている者には、この不安感を実感することは「不可能」であるということ。頭の中でエラー復帰するためのシーケンスが走ってしまっているからだ。持つものと持たざるものの違い。
Webの情報設計だろうが、ロジック制御だろうがエラー処理を考えるすべての人は、このことを大前提において考える必要があるだろう。どんなに計算ができても、「エラー発生に対する不安感」を本当の意味で体感するのは、プロには不可能。もし可能とすれば、ホストクラブのホストのように人の気持ちを計算づくで行動していくしかない。
今すぐできることと言えば、ウインドウズやアップル、一般的なWebの情報デザイン方針に従っておくこと、コモンセンスに依存することであろう。ただし限界があって、それはウインドウズやMac、その他Webのリテラシーを持つユーザーに限られる。それこそ、PCなどに触らない高年齢者(じいさんではなくオッサン含む)には、その常識は通用しない。だからこそ、電話やクルマのパネルなどに言及したユーザビリティの本を読むわけだが。
いずれにせよ、「人の気持ち」のプロにならないと、適切なエラー処理はできていないことを自覚したほうがよさそうだね。そもそも対人関係が得意ではない人が多い開発者という人たちには簡単じゃないですよ。ほら、だから、ITは難しいって言われてるよ。
ユーザーテストをしても、ユーザーテストの結果をどうやってフィードバックしていくか?だな。
モノを作ってからじゃないとテストできないし、モノを作ってからは直せないことも多々。大前提としてビジネスの仕方に依存しますしね。