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Webを中心とした、ビジネス&テクノロジーに関する思いつき
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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
著書〜100万人から教わったウェブサービスの極意―「モバツイ」開発1268日の知恵と視点 [Kindle版]
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May 29, 2005

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学生時代のロボット研究室の一員(端くれ)として(全然勉強しなかったけど)、技術は体に障害のある人にどのようなサポートができるのか?というのはずっと考えているし、今でもそういう仕事ができたら良いなぁと思っている。(お金持ちにもなりたいですが。)

資本主義の考えの下での技術や製品の理想像としては、僕はこう思っている。

「障害者の人が苦もなく使える技術、製品は健常者にとって快適であるべきだ。」
「障害者の人が苦もなく使えない技術は、成熟した技術とは言えない」

■ユーザビリティやアクセシビリティというのは、一つの延長線上に並んでいる

世の中の人は、ざっくりわけてこの三つ
・器用な人(別に何もしなくても勝手に読み取ってくれる。勉強ができる人、unix使いとか)
・わかりにくいモノへの理解度が不得手で不器用な人(ユーザビリティ、僕はここに所属する。)
・体に障害があったりして、何かにとても苦労する人(アクセシビリティ、バリアフリー)

そうは言っても、世の中の製品には物理的制約があるから、如何ともし難いことがあります。

■WWW自体が持つアクセシビリティの高さ
Webサイトというのは、情報伝達手段でありデータで構成されているだけあって、アクセシビリティを実現するのはすごく簡単。少なくとも、他の技術よりは遙かに簡単。

まず、Webサイトという時点でメチャメチャ情報へのアクセシビリティが高いことを認識しよう。

1.インターネットそのものが、他の情報伝達手段に比べて場所の制約が少なく、そもそも情報へのアクセシビリティが高い
2.インターネットへのアクセス手段が低コストで提供されている。
3.HTMLは文字データで構成されており、例えばテキストリーダーなるソフトウエアで音に変換することなどが容易である。この時点で凄くアクセシビリティが高い。
4.コンピューターはきっと使いにくいだろうが、使う側の努力によって操作は可能で、Webの情報にアクセスすることができるため物理的制約などで、如何ともし難い状況は克服されている。

つまり、コンピュータを使えるのであれば人がいろんな手段で情報にアクセスするためのフレームワークは割と揃っているということ。(なんとシアワセなことに!)あとはデータソースとしてのWebページが、このフレームワークへ高い親和性を実現していれば良いわけです。

■Webページというデータに必要なものとその現状

この親和性を実現するのは、
・テクノロジ的には、「Web標準」への対応
・「人に情報を適切に伝えるため」の情報設計、コンテンツ

などが必要。こういうのを実現することを、Webのプロとしては「当たり前のこと」と表現します。

しかし、実際はできていないケースが多い。だからこそアックゼロヨンというイベントが存在しうる。多くの制作者はこのチャンスに改めて認知、実践すべき。みんなが「当たり前のこと」をやれれば、アクセシビリティは確保され、イベントそのものに存在意義がないわけだが。

・器用なユーザー層だけを対象にしたビジュアルデザイン
・ビジュアルデザインだけを表現するために作られたHTML、画像、プラグイン
・人にモノを伝えることを考えてないWeb情報設計(含むコンテンツ)

Webは賢いブラウザ(IE)のおかげで、敷居が異様に低いことを認識したほうが良い。
仮にWebのリリースに携帯電話並の品質検査が必要だったら、何社、何人生き残れるんでしょうかね。


■改善、実現
「当たり前のこと」は、言葉通りコモディティ化して付加価値を失うべきである。この「当たり間のこと」が実現できない業者は、市場から退場するのが基本原則。だから、このための追加工数が発生して顧客に請求するというのは、かなりダメ。自分の無知を晒すようなもの。

プロとしての品質を高め設計品質を高めたり、Web標準などに準拠するのは当たり前の企業努力だし、プロの制作者であれば、あえて人から貰うものでもないでしょう。そうやって品質を高めた結果にアクセシビリティがついてくる。

そうしないと自社の営業的にも納得されないのではないでしょうか。経営陣がアクセシビリティを理解しないなどと言っているケースでは、「ちゃんと時間をかけてやらなきゃいけない」とか、「特別な工数をかけないとできない」とか言っていませんか?

もちろん、純粋に追加されるテキストリーダーでの動作検証などは、工数は純増ですし、標準メニューには組み込んでいないユーザーテストが必要であれば、別途スケジュールとお金をもらうことになると思います。

少なくとも「当たり前のこと」と表現されるところは、自社の品質向上の努力として標準メニューに組み込む努力をすべきです。

これはSEOも同じで、HTMLの品質における部分でのSEO対応は自社の品質基準に組み込むべきです。何故なら、すでにMovableTypeなどから生成されるHTMLと同レベルの「検索エンジンへのアクセシビリティ」を実現するためには必須だからです。もはやそのレベルのSEO対策は、検索エンジンの評価としてもコモディティ化しつつあって価値がなくなっているわけだから、これでお金は儲かりません。それどころか、blogに負けるわけですから最低限必要な品質基準なのではないでしょうか?

SEO業者に頼むのは、日々のキーワード選定等、運用にまつわる改善のところに絞るのが良いと思います。
外部リンクを無理やり増やすとか、そういうことではありません。そんな小細工を考えるぐらいなら、コンテンツをよりよくしたり、Webサイトの質を高めましょう。結局、コンテンツが面白いサイトに人が集まるという基本原則は何も変わっていませんし、人の集まるWebサイトからリンクされることが、人からも検索エンジンからも一番評価されるのです。

■クライアントの説得
顧客満足とアクセシビリティ、ユーザビリティの両立が課題

顧客満足とは何ぞや?

ビジネスライクに言えば、何でも良いから、彼らがうれしければ良いという考え方もある。
しかし、それがアクセシビリティ・・・いや「当たり前のこと」が実現できない考えだとしたら?結果的には誰が損をするのか?

これができる人(会社)って多くないよね、担当者の能力、意欲の壁ってあるよね。大体。
Webって難しい。


■Webアクセシビリティって、いったい何なんだ。

Webの作り手が、「当たり前のことを追求することでシアワセになれる人がいる」ということ。

何もトリッキーなことをやらなくても、プロとしての責務を果たすだけでアクセシビリティを実現できることの素晴らしさを知ってください。
そしてWebを作るという行為は、すごく意義のある仕事であることを再認識すること。


以上が、昨日のアックゼロヨン森田祭りに参加して改めて強く思ったこと。

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