April 17, 2005
こんなの出てたんですね。かなり安価にRAID5が実現できるハードディスクシステム。ネットワーク経由で使えるので、単体のファイルサーバとして使えます。この価格で、こんな製品があるのを全然、知りませんでしたが、ちょっと興奮しています。
(7万円で4台のHDDがついてくるわけでしょ。自分で組んだらもっと金かかるような気がします。)
せっかく作ったデータもHDDが壊れてしまったら消滅します。この悲しさは、実際に消えてしまった人だけが知っています。これは真実。多くの人は、HDDが壊れた時のことなんて想像もつきません。
このシステムではRAID5でHDDを構成することができます。このHDDユニットはHDDを4台載せられるのですが、RAID5でセットアップすると使える容量は、HDD3台分の容量です。
上のリンクで紹介している製品は、160GBのHDDが4台積まれていますが、RAID5のモードでは、3台分=480GB分のデータしか保存できません。その代わり、その中の一台のHDDが壊れても、残り3台で正常にデータを読み込むことができます。この間に、壊れたHDDを戻してあげれば完全に元の構成に戻すことができます。
HDDというのは壊れることが前提のものですので、HDDを交換していくだけで、元のデータをずっと維持することができます。
世の中のWebサーバやファイルサーバでは、必ずRAID5のようなシステムを構成しています。そういったものを、SOHOや個人のレンジでは安価に手に入れるのは中々難しかったと思います。確かに、自分でシステムを組めば比較的安価に手に入れられましたが、はっきり言ってRAIDの設定は難しいと思います。
こういう製品であれば、簡単に設定できるわけです。ある意味、こういう製品が今までなかったことがおかしいことであったと言えます。これは、一度、RAID環境に身を投じたものだけが感じる「常識」なのかもしれません。一台のHDDに大事なデータを保存しているということが、どれだけ危険なことであるかを。
そして地味なことですが、この製品の良い所はHDDが壊れていることがフロントのランプに表示されることです。つまりすぐ異常を知ることができます。
自分で組んだシステムだと、意外とHDDが壊れたことを知るのは結構難しいです。特に自作でHDDを組み込んだ場合には、異常時にランプに表示するパネルってあるんでしょうか?
そして、HDDの障害が外に告知する機能を組み込まなくてはいけない。例えば監視エージェントを使ってメールを送るとか、毎日、自分で調べるとか(運用として、ありえませんが)。ただ、それにはソフトウエアを適切に設定する必要があります。これも、割と高度な知識が必要です。それはRAID関連のツールはプロフェッショナル向けのツールだからです。
もちろん、この製品では、ブラウザから設定することで障害発生時に自分のメールアドレスに送らせることができます。さらに、毎日のレポートなどで、HDDの状況を自分のメールアドレスに送らせることができます。
ちなみに、RAID運用の注意点ですが、確かに4台あるHDDのうち、1台壊れてもデータは壊れません。しかし4台のうち2台壊れるとデータは戻ってきません。つまり、1台壊れた段階で速やかにHDDを交換することが、データ維持のためには重要な運用であるわけです。だからこそ、すぐHDDが壊れたことを検知できることこそが何よりも重要になります。
さらに当たり前ですが、4台のHDDは、まぁあまり変わらない時期に作られたHDDなわけです。つまりHDDが一台壊れた場合、二台目以降が壊れる時期もそう遠くないと考えるべきです。
だから、RAIDの運用で重要なことはHDDが壊れたときには、いかに早めに復旧させてあげるか?これこそが重要なわけです。
480GBで7万円で、かつRAIDで守られたネットワークストレージを高いと見るか安いと見るか。それはあなたが持っているデータの質と価値を表していると思います。HDDが壊れてデータが消えてしまったときに、自分が働くことも含めて7万円では元に戻らないなら、こういう仕組みの導入を是非検討してみてください。
前にも同じことを書いてるような気がしますが、以下参考:
お手軽バックアップ環境のすすめ