March 28, 2005
ガイアの夜明けの未読処理をした。キャノンが国内製造に視点を戻しているという話は共感。
コストの高い国内生産において、あえて、いかに生産効果とコスト効果を出していくか?というチャレンジ。一つは、開発と生産のシナジーを出すこと。高い品質は結果的にコスト低減に繋がるという発想。そして現実的に高い人件費を生かすためにスピード、効率を徹底的に追求すること。ここに社内が故の強みをもてるのではないか?と。
そもそもトヨタだって世界各国で現地生産はしているけど、国内だって立派に続けてるじゃないの。それで利益が1兆円を超えてるんだから、単純に中国に拠点を持つことが利益に繋がるという理論はその時点でどうよ?という話になる。
一時流行ったメインの生産機能を中国に出すこと自体がニッチな考え方であり、ニッチを追求するなら、ビジネスモデルもニッチじゃなきゃ。ユニクロみたいに。
もし品質と価格、最先端を追求するような先行者利益を確保したいという王道のビジネスを追求するなら、国内生産でフットワークを軽くするというのは、しごくまっとうな考え方かと。
中国生産で低コストの生産を活用していたわけだが、製造業は既に変わりつつあるということですね。やっぱり自社内のモノ作りの能力こそが重要なんじゃないでしょうかね。中国生産が良いか悪いかということはさておいて、モノ作りにおいて開発と製造が分離してしまうことで、改善のチャンスを致命的に逃しているという考え方は、モノ作りがわかってる人がトップにいないとわからないんだろうなぁ。製造を単純な経費としか見れない人にはわからんのです。
少なくとも外に生産機能を出すということは、その機能の発展はもはや期待してはいけないということだと思います。既に生産のフレームワークが確立していて、発展させなくてもなんとかなったり、その発展を生産設備で吸収できる場合にのみ、外に切り出すメリットがある。
ITの先端機器のように生産を開発が一体になることで良い物ができるというものは、そもそも向かないハズなのです。ODM/OEMで台湾企業などに作ってもらうなら別ですが、もはやそれを売っている会社は技術先端企業ではありませんね。商社です。