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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
著書〜100万人から教わったウェブサービスの極意―「モバツイ」開発1268日の知恵と視点 [Kindle版]
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March 21, 2005

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Yahoo!BBは、ライバル会社も担ぎ出し、ブロードバンドインフラを「当たり前」のものにした。今度、ライブドアは、ブロードバンドコンテンツというものを「当たり前」のものにするか?

2ちゃんねるのライブドア関連スレで、地震報道に絡んで以下のようなやりとりがあった

1.地震報道はTVが一番速いよね。なんだかんだいってTVが一番だよ。
2.いやいや、地震はネットが一番速いんですけど・・・ 
  http://www.hinet.bosai.go.jp/
  でも、一番速いのは2ちゃんねるの地震板だよね。

このやりとりに見られる相互の認識ギャップを両方手に入れてしまうのが、まさしくネット企業がTV局を手に入れるメリットなんだろうなぁと。
インターネットはまさに「知る人ぞ知る」、プルメディアであるところが最大のポイントで、偏差値の高いメディアである。

検索エンジンがいくら高性能になろうが、何かしら検索しないと出てこないわけで。それを補完するために、フォークソノミーなどのインターネットネイティブな情報分類手段が考案されつつあるが、それ自身は速報性の高い情報を手に入れる手段ではない。これは蓄積されたデータを如何に活用するか?というアプローチであろうから、動画であればオンデマンド動画が貯まりに貯まってから生かされる手法である。

ポータルへのユーザー誘導手段としてTVが強力なのは、堀江氏のTVでの発言が実証している。この騒動自体が、時間の制約があるTVと、補完関係になりうるインターネットとのコラボレーションの実験のようなものではないかとさえ思う。

・時間の制約が故に、情報を伝えきれないから我々のWebを見てくださいと堀江氏は言う。
・報道フィルターと時間の制約を補完するメディアとして、オンデマンドの動画でインタービューを流し、それをみんながチェックする。
・結果、堀江氏の一貫した態度が視聴者に理解されつつあるという効果が出ているのではないだろうか。少なくともマスメディアの都合の良いように悪者になることは回避されている。

既に、ネットシネマのような形でCMの世界でも、TV番組でもある程度は取り入れられてはいるが、もっと「当たり前」のように使われることになるのだろう。簡単に言うと、明確にTVやラジオという役割はインターネットへの入り口になる。デジタル化時代では、TVを見ながらボタン一つで、ライブドアのポータル上の情報に切り替わったり、提携キャンペーンに切り替わったり、はてなダイアリーみたいな、用語説明辞書や関連情報にリンクしたり、ボタン一つでYahoo、google検索に繋がったり。

一々、CMとリンクさせるからとキャンペーンページを作らなくても、もっともっと普通に商品ページに繋がるような意識になる。これに伴い、Web連動型のキャンペーンの質も認知度も向上することであろう。

情報取得がTVというインターフェースを通じて、インターネットにシームレスになるということは、それこそPCがわからない人が、PCを知らなくてもインターネットを活用できるようになる。また、放送局が考えるレベルの「双方向放送」と、インターネットとの融合の違いは、関連するBlogなどにリンクすることで視聴者同士のコミュニケーションがTVからシームレスに繋がるということでもある。今、目の前のTVに流れている言葉を借りると、「万人がパブリッシャーになる」ことが、とても低コストに簡単に実現することであろう。

つまりメリットはいくらでも期待できるわけだ。携帯電話を使う人が、PCを意識せずともメールを送っているのと同じように。その際には、デジタルTVなりSTBが高機能、高速のインターネット接続機器になっていれば良い。

BSデジタルの時のBML騒動から我々は知っていたように、TV局主導では永遠にこのような世界はやってこない

そのSTBには、turbo LinuxなりLinspireがOSで、電話はskype、メーラーはユードラが積まれていたりして(笑)

我々のビジネスの場でも堀江氏の発言により、動画をインターネットに流すということの意識が変わりつつある。それまでは、インターネットに動画?・・・何に使っていいのかわからなかった顧客が、堀江氏の動画により、少なくとも、こんなメリットがあるのかということを学びつつある。

実は我々にとっても、この騒動は相当メリットを感じていている。

インターネットで新しいムーブメントを動かすなら、実際にやってみて見せてみるのが一番であるが、この騒動が壮大な「釣り」として見ると、ほんとに凄いなと思う限りである。

昨年出版された竹村健一氏と堀江氏の対談本の、世界一の金持ちになってみろ!では、今まさにやっているような、TOBをかけている優良企業を買収し、超優良企業にしてみたいという発言が書いてある。そして60代の社長から30代の若い社長に入れ替えて活性化させるそうだ。

孫氏が通信業界に殴りこみをかけ、堀江氏が既存のメディアヒエラルキーを壊しにかかっているのを見ると、自分がいかに物事を諦めていたかを再認識させられる今日この頃である。

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