March 13, 2005
「ある一点の問題点の妥当性だけを議論する」が故に、至極常識的な判断を見失うというのは、ことコピープロテクトに限らず、多々あることですね。
買う人は買うし買わない人は買わないただそれだけの事実に行き着くまでの遠回り
がしかし、いざオジさんたちが会議室に集まって違法コピーがうんたらという議論をはじめると、そうしたちょっと考えればわかるような一般感覚がまるで失われ、「やっぱりCCCDでしょ!」といったような結論に陥ってしまう。
「いかにCDをコピーさせないか」に責任を持つ人がいて、その人の施策が一人歩きする。問題は、一歩下がった視点から、それって意味ないよねということを判断することなのだが、どうも技術論になった瞬間に、その技術的問題点をどう解決するか?だけに捕らわれてしまうことは、この世の中、何故か多々ありますね。
どうもそういう判断ができない人達にとって、精神的に解釈することは、技術的な問題点の存在には価値が劣るらしく、基本的には思考停止状態だったりしますね。責任論に絡んでしまって、あまり技術がわからない人が、この手の決断をできないと、この問題は低コストで解決できないというジレンマ。確かにCDがコピーできなければ、売る側は誰だってうれしいでしょう。
機能実現とリスクにおいては、リスクは軽視されますよ。しかも、自分達にとっては間接的なリスクであれば自分達の都合の良いように解釈するのが人ってもんですな。
CCCDもやってみて意味がないということがわかって、関係者自身がようやくこの呪縛から解放されたことでしょう。当の人達含めて、みんなうれしいんじゃないですか?
結構「スジを通すだけの仕事」ってのは存在してて、「意味ねーなぁ」と言いつつも検収のためにはやらざるを得ないことというのはあるわけですが、まぁ誰も被害を受けなければ別に良いんですが、明らかにエンドユーザーが犠牲になるようなのは本当に不幸な仕事だと思います。
世の中、こういう無駄なお金の周り方もまた経済活動なんでしょうね。
最適化されたら、GDPが減りますよね。それが効率化の結果というのであれば、MSなどに富が集約するのもなんとなく実感したりします。
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追記:
ある一点の問題点=ライブドアによる株所有
技術的な責任者=顧問弁護士
あまり技術がわからない人=フジサンケイグループトップ陣
スジを通すだけの仕事=新株予約権の発行などでライブドアに抵抗すること。
エンドユーザー=ニッポン放送の少数株主
と置き換えて読むと、ニッポン放送株に対するフジサンケイグループの判断も同じに見えますなぁ。
そういう意味で、フジサンケイの動きそのものが日本のビジネスの縮図なんでしょうね。