January 30, 2005
無名メーカーのホットカーペットを購入したら、スイッチ部分がいかれ電気が入らなくなり、無償で松下製の製品と交換してもらった。
無名メーカーの製品は、よく大手メーカーのOEMに出ていたりして、仕様が同じなら確実にお買い得なのだが、今回のは明らかにスイッチ周辺が弱そうだなぁと思ったら、一ヶ月も経たず、通電しなくなった。
交換が完了した帰りに、ふとソニータイマーというキーワードを思い出した。
僕が経験したソニータイマーと思わしきトラブル
1.高校時代に購入したDAT(デジタルオーディオテープ)のテープが回転しなくなった。それこそ1年も経った頃から回転のパワーがたりなくなり、マトモにテープが回らなくなった。どんなに音質が良くても、テープが回らないと話にならない。
2.VAIO SRX・・・ご存知、ヒンジクターと呼ばれる、液晶をささえるヒンジ部分の保持力がなくなり、液晶パネルが向こうにパタンと倒れてしまうもの。その他、タッチパッドのボタンが壊れるなどの問題があって修理に出した。
3.19インチのブラウン管モニター。ブラウン管が2年もすると白くぼやけてしまい、まともな色が出なくなる。この現象は、会社にある同機種でも起きた。修理代は10万円を突破し本体よりも高い。
4.FM携帯ラジオ。AMチューナーのアンテナ部分のコイルが切れた。コイルを止める接着剤から磁石に巻かれたコイル一式が脱落しており、そのショックで断線した。手で直した。
5.15周年CDウォークマン。データを非圧縮で再生し高音質、音とびしても1秒以内に復帰しバッファの範囲内で復帰するため音とびしないとの触れ込みで購入したが、本体に軽い圧力が与えられると、電池の蓋が「たわみ」、電源が落ちてCDが止まる。
いくら1秒以内に復帰する機能をつけても、電気の供給が絶たれればどうしようもない。僕にとっての15周年の象徴。
僕の経験によるソニータイマーの本質とは、「価格、製品に関わらず一定の機構設計の貧弱さ」と言える。
ちょっと話はずれるが、いわゆるコンピューターの中身であるプリント基板のクオリティというのは、安いラジオのものとスーパーコンピューターとでは全く違う。素材として馴染みなもので、紙フェノールとかガラスエポキシというのがあるが、これらは簡単に言うと、その製品で想定された環境の中、どのぐらいの期間持つか?を決めるものと言って良い。
車のコンピュータのような高温、多湿かつ命がかかったミッションクリティカルな環境だと、10年以上は持つことを考えるし、ラジオのような物は逆に数年以内に壊れても良い物を使う。それこそ要求品質の「桁が違う」。
つまり、その製品の種別によって品質基準が変わるべきなのだが、どうもソニーのそれはウォークマンとVAIOを同じ基準で考えているのではないかと思うところがある。SRXの壊れ方は、まるでウォークマンが壊れてしまったようなイメージを持った。ひょっとしたら家電サイドのソニーのモノ作りとは、かつてのウォークマンの成功神話を、その品質、設計基準においてもノウハウにしているのではないだろうか?
しかも、タチの悪いことに、いわゆるマニア用/プロ用(プロと言ってもWebデザインなどの)の製品でも、このイメージが適用されてしまうのがポイント。
サイズが非常に小さく、緻密で複雑な部品設計ができる。これこそがウォークマンの真髄だと思うし、VAIOがB5ノートで成功した理由だったとも思う。今、PSPが不良か否かという問題もあるようだが、ソニーのDNAの小さくて高機能なものが作れるという魅力と成功体験が、品質向上を妨げる最大の要因になっているとしたら、その裸の王様ぶりは、そろそろ本気で改善しないとマズイんでないの?と。
インターネットが普及して、誰もが経験していることが例外ではないということがわかり、仮面がはがれてしまった一社だと思うし。
ソニーの買い控えは、今、本気で存在すると思う。僕はSRXの一件が相当ショックだったし。反動で、デザインしょぼしょぼのThinkPadを買うべきか?と思ったぐらいだし。PSP買ってないし。(それは、今のソニーにとってはありがたいのかもしれないが。)