September 20, 2004
開発者の主観的な視点から半歩離れた立場で、ColdFusionのドキュメントを読んでみると、Perlを使わないWebアプリを作るなら、かなり魅力的だと感じるようになった。
開発者の立場からすると、自己のキャリアとして意味を持たないという印象を持つのがColdFusionの普及を妨げる問題なのではないかと思っているが、普通のWebを短時間で開発し、かつセキュリティに穴を開けないでビジネスするなら、今更の意見だが、かなりイケている。
最大の魅力は、さまざまな機能が組み込まれていることだ。特にモジュールを追加することなく、FTPにアクセスできたり、cronのようなスケジューリング機能を行ってくれる。きっとWebサービスにも簡単にアクセスできるのであろう。つまり同一のシンタックスで、特別なモジュールを探してくることなく、これ一つで「全部入り」というのがCold Fusionの最大の魅力である。
例えば、タグを書くだけでいきなりアプレットでスライダーバーが出てくるし、そもそもFlexのベースとなるFlashの動的生成機能があるなど、さながらWEBアプリに必要な機能のデパートといった印象である。
「何でもアリ感」と「とりあえずサンプルを実行するまでお手軽さ」は、VBを彷彿させる。
そしてJ2EEがColdFusionのコンテナとしての後ろ盾として存在するため、ここ一番で拡張ができる安心感もある。
何故、今までソッポを向いていたColdFusionに魅力を感じるかというと、どんどんWebアプリが複雑化していき、かつセキュリティの重要性も高まってくると、その辺は丸ごとパッケージ化されているプロダクトの方が、いろんな意味で無難だからだ。
ただ、そういう意味ではPHPで良いじゃんという感想が出るのはしごくごもっともだし、J2EEの世界でもJSFやHibernateなど違った方向性で、お手軽開発ができるフレームワークが揃ってきつつある。それはそれで素晴らしいことだ。
ところで、いつまでもサーバサイドといえば、セキュリティとスケーラビリティを除けば、要するに画面上の文字入出力だけを制御すれば食っていける商売なのか、もっといろんなシステムと連携して、あっちゃこっちゃと繋がるような市場に発展し、ややこしいデータ制御や、システム間の非同期処理で、いろんなシステムをコントロールしなくてはいけない商売になるのかによって、目指す方向性は変わってくるものと思われる。もし、そんなことになったときに、文字を出力する処理に疲れたエンジニアへの一筋の光明にColdFusionがなるのかもしれないなと想像したりする。