July 30, 2004
ミニマサ(PC-CV50FW)を購入して一ヶ月が経った。それまでモバイルとして使っていたVAIO SRXよりも約400g軽いのだが、400gのインパクトは思ったより大きく、SRXは毎日持ち歩くのは辛かったが、ミニマサは問題なく持ち歩いている。
(↑のリンクだとすでに164,920 円まで落ちてるのな~~。かなり値下がりしてて安い。ショック!売れてないからしょうがないけどね。)
この機種の魅力は目立つデザインもさることながら、1280*768という液晶の解像度の広さである。他のモバイルノートは、大体、XGA = 1024*768の解像度であるが、この解像度だと決して画面の広さに余裕がない。ある意味ジャストフィットともいえるが、PDF,WORD,EXCEL,Visio,Powerpointなどを本気で使う場合は、1024*768では決して広いとは言えない。特に、8ptぐらいのフォントを使う人は、1024*768では、常用サイズでは文字が潰れてしまい解像度不足を実感しているのではないだろうか?
この機種は解像度が高いので、会社で使っているデスクトップPCの環境をそのままモバイルに持ってきたような感覚で使うことができるのは、かなりリッチな印象を受けるだろう。実はVaio SRXを使っていた段階で、1024 * 768では、自分の環境におけるビジネスニーズが満たせないことに気がついたため、段々SRXを使わなくなっていったという経緯があり、ミニマサはモバイルの性能もさることながら、液晶解像度を重視して購入したのだ。もし、ウスマサが1280*1024の解像度があったらウスマサを買っていたであろう。ウスマサのネックは解像度と液晶のクオリティであった。
また、上記以外のツール、とりわけ最近の開発ツールは特に解像度が必要で、Flash,Dream Weaver,Visual Studio,Eclipseなどの主要開発ツールは、正直言って、1024*768では常用に値しない。これは画面のユーザーインターフェースにいろんな情報が表示されるようになったからである。画面開発をするのだから、ターゲット画面サイズは実表示サイズに近いほうが良いに決まってるので、開発ツールがそれよりも広い解像度を必要とするのは当たり前である。
もちろん、この小さい液晶でバリバリ開発するようなことはないが、仕事上のとっさのトラブルに対して、遠隔操作して修正しなくてはならない局面では、この高い解像度の液晶は、絶対に大きな武器になるはずだ。画面はみんな小さいと言うが、机の上において使う分にはさほど気にならない。
僕の場合は更にVPNで会社にログインして、リモートデスクトップで会社の自分のマシンを操作して、お客さんとの打ち合わせの最中に、会社のマシンからファイルをコピーしたりしている。このときにリモートデスクトップを操作するには、リモートデスクトップ部分の解像度が最低800*600,希望としては1024 * 768ぐらいの解像度は必要だ。当然、操作元の画面はもっと広い解像度が必要なので、そんなところからも、1280*768という解像度は重宝している。
そしてミニマサの真価は、スタンバイモードによる運用形態である。VAIO SRXをスタンバイモードのまま持ち歩くと一日以内にバッテリーが切れてしまう。それに対して、ミニマサは数日は充電しないで持ち歩くことができる。これはポケットPCや携帯電話のように使いたいときに、さっと出して使うという用途に向いている。スタンバイモードからは5秒で復帰することができる。ひたすらマシンを使うという用途ではなく、たまに使いたいときに、「すぐに使える」という用途に最適というわけだ。
これのメリットは、例えば電車内の広告で日能研の受験問題サンプルの答えが知りたくなったとき、さっと起動して、駅についたタイミングでPHSで日能研のサイトにアクセスして答えを見るような、「今使いたいタイミング」を逃さない。その他、ラーメン屋の行列にとりあえず並んでおいて、果たしてこの行列に意味があるのか?をWebで情報を検索し、意味がないなら、さっさと別のところに行くと言った判断にも使っている。
実際、モバイルノートは持ち歩いている時間の方が圧倒的に長いのだから、その使っていない時間のバッテリー消費を最低限にするという考え方は理にかなっている。ただし、この考え方は相当マニアックな発想だと思う。基本的には、誰もがCPUの処理性能やハードディスクの量など、自分が必要なもの以上の性能が安く手に入ることには敏感だ。
iPodでも、自分が持っている曲データの容量をさておいても、永遠にデータがたまらない20GBや40GBというHDDの数字にこだわるひとが多い。バッテリーの時間も同様だ。そこまで使わないスペックでさえも、多ければ多いほうに飛びつく。
これが現在の顧客ニーズである。それに対して、この機種は「使ってない時間」を含めた一回の充電での使い勝手を考えた設計をしている。はっきり言って、数年、コンセプトが早いのではないだろうか。肝心な性能がイマイチのせいもあるので、売れないのも当たり前だろう。
携帯の待ちうけも、最近のは2~3日持てばいいほうではないだろうか。でも、それを誰も潜在的不満には思っていても、それを嫌って携帯を買わないというところまでユーザーニーズが成熟してはいない。TV付きの携帯もまともに使うと1時間で電池が切れるそうだが、そんなのはっきり言って詐欺だと思うのだが、それでも売れるわけだから、メーカーもバッテリーよりも機能競争に走るのは仕方ないというわけだ。
しかし、ポケットPCを使うヘビーなモバイルユーザーは、WindowsXPのモバイルではハードディスクを持つがゆえに、コンピュータの起動が遅くて、使うチャンスを逃すということを明確なデメリットとして挙げていたので、ミニマサは5秒で起動、そして最大1週間持つバッテリーというのは、絶対間違っていないとは思える。そういうことで僕はこの起動時間の短さを満喫している。
この機種は、今までのエントリに書いたとおり、「動」である性能面ではいろいろ気に入らないところが多いが、とはいえ、「使いたいときに、いつでもどこでもすぐ使えるWindowsXP」という意味で、非常に重宝しているし、液晶のキレイさと画面解像度の広さが、通常のデスクトップのように使えるというところが非常に気に入っている。処理性能自体は、まぁ普通かなというところで、速くはないけど、遅くもないというラインだ。
Let's Note R3が性能とバッテリー9時間という「動」の性能でオンリー1
Vaio typeUが、その形と軽さでオンリー1
ミニマサは、「静」の性能と液晶のキレイさと画面解像度の広さでオンリー1
選択肢はそれぞれ。この夏モデルは個性的な製品で非常に楽しいです。あなたはどの機種がお好みですか?