June 06, 2004
自分の子供ができたら、2ちゃんねるをはじめとする昨今の掲示板は見せたくない。
パソコン通信をはじめとするBBSは自分の人生にも大きな影響を与えているし、2ちゃんねるは仕事にも役に立っているし、いつも好きで見ているし、情報としてのメリットがとてもあるし、その魅力も十分わかっているつもりだが、それでもそう思うのは、とにかくインターネット時代の掲示板の問題点は、
「人の暗黒面も可視化されてしまう」
ことである。
本当のホンネ、何かを正当化したいホンネ、野望を持ったホンネ。いわゆるタテマエで柔らかいコミュニケーションをするのではなく、ある感情にもとづくホンネが文章化されて見えてしまうのが掲示板の特徴。
だからこそ空気を読めなくてはいけないし、こんな人達もいるよねと遠くから見ることができないと、「ネタにマジレス」「空気を読めない」「真に受ける」ようなことになってしまう。愚かながらも、この年齢になっても自分の知らない世界に関しては、相当影響を受けてしまうこともある。実際にフタをあけて経験してみて、はじめてバカバカしかったことに気がつくこともある。
また、遠くから達観してしまうクセがつくのもこまる。人間は前に進むためにはある程度バカでなければならないと思う。理性的に考えると何もしないのが一番楽だという結論に達しがちだし、すべてを否定する結論になりがちで、掲示板の書き込みは、そういう感情を正当化する意見で埋め尽くされている。それを言ったらおしまいよ的な極論が非常に多いのも特徴である。
これは学校社会から逃げ出すことができない世界の狭い子供にとって決して有用な情報ではなく、悪影響すら及ぼすと思われる。せめて高校生ぐらいになるまでは、きっちり学校という社会で生きる訓練をしてからインターネットにデビューしたほうが良いと言うのが、自分なりのインターネットコミュニケーション論である。
もしかしたら僕自身がホンネとタテマエで育ってきた日本人らしい発想にとらわれているのかもしれないし、単純に僕という性格が、所詮そういう奴に過ぎないのかもしれないわけだが、実際に殺人事件まで起きてしまうと、必ずしもヘタレな意見ではないと思っているのだが。
ちなみに僕が始めて掲示板にアクセスしたのは高校一年の夏休み。当時はパソコン通信で300bpsのモデムでアクセスしてたが、初めて大人の人とチャットをした時、目の前のタダのコンピュータの箱から、こんな世界の広がりがあるんだ!と感動したものである。今は携帯電話やインターネットがでてきて、いろいろ手軽になったし通信人口は増えたが、別にあの頃と、そんなに人間の考え方や社会自体が進歩しているとは思えないんじゃないか?というのが、このエントリの根拠である。
(ちなみに通信にハマリ過ぎて、電話代を10万円使って親に殴られ通信を続けられなくなったわけだが。)