May 13, 2004
今、一番納得できないのはWinnyを紹介していた雑誌社に家宅捜索などの手が伸びないこと。なのに、Winnyの紹介サイトにも家宅捜索の手が入ったそうだ。
Winnyなどやらない者としては個々の草の根のWinny紹介サイトの存在など初めて認識したが、本屋に行けば雑誌がWinnyの宣伝をしまくってたのは知っている。社会的影響が大きいのは、著作物を販売する雑誌社が、他社の商品である著作物をないがしろにするソフトウエアの紹介を営業活動として公然と行っていたことではないのだろうか?
もしWinnyで著作権をないがしろにする環境をつくった間接的加害者がWinnyの作者であるというのであれば、それを煽る形で一般流通にこの情報をばらまいた雑誌社も、間接的プロモーションを行ったとして同じぐらいの問題があるではないのだろうか?あらゆるWinnyを使うユーザー層が、必ずしも2ちゃんねるからの口コミだけで広まったわけじゃないと思うのですが。
個人のWebサイトなど、いくらアクセス数が多くとも所詮は見たい人が検索して訪れるプル型のメディアに過ぎないのに対し、本屋で売るという行為まで含めれば雑誌はプッシュメディアだと思うので影響力は後者の方が大きいはずである。
おそらく、この騒動の目的は作者自体を罪に問うというよりは社会への見せしめなんでしょうから、もしも雑誌の言論までメスが入るなら京都府警の動きは納得できるのだが、もしそうでないなら、なんなんでしょうか?感情論?
権力は怖いですよね。こういう文章もあまりネットに書いちゃいけないのかしら…という雰囲気作りこそ、今回の逮捕劇の真の目的なんでしょうが、いずれにせよ新興であるWebでの情報流通は×なのに、紙による情報流通は○というのは、とにかく納得がいかない。
2ちゃんねるの書き込みに対する裁判、ソーシャルネットワーキングの台頭など、今までの野放図だった発言責任や著作権意識、匿名的なネット社会というあり方も現実社会のしがらみに影響されるようになってきました。昔からネット社会もまた現実社会であると言われていた通り、それが悪いとは決して思いませんが、それが成熟なのか退化なのか、その変化だけは、しっかり感じ続けていきたいものです。
しかしWinnyの作者、やはり賢い人だったんですね。いやはや。何かを残す人って結果的に学歴高い人多いんだよねぇ。ホント。