April 27, 2004
最初に行った会社では、製造で数年現場を知り、そこから設計に行くというステップで仕事をしていた。そこで知ったことは、自分の組織、立場が変わると、会社の人間関係が変わるということだった。
・昨日までの仲間が明日の敵になる。
・必ずしも守ってくれる人が、人間的に優れているわけではない。
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同一組織だとその人のいい点と悪い点のうち、悪い点を見ないようにすることができるが、組織が分かれ、お互いに利害関係が発生すると、その人の悪い点ばかりが気になるのは何故だろう?
いくら本人の良い点をリスペクトしていたとしても、そういう感情が出てくるのは、その悪い点がゆえに、こちらの利害に抵触するからに他ならない。
組織の壁というのは非常に悩ましいもので、やはり組織というのは利害関係が異なる線で明確に分けるべきだ。部署を分けるべき線は営業的都合(売り上げを追求する)、現場的都合(品質を追求する)などといった枠組みであろう。
同一の責任範囲で仕事をしなくてはいけない関係で組織が分かれているというのは、とても都合が悪いと思うようになった。例えば、売り上げを追求する側に品質を追及しなくてはいけない人が入ると、納期と工数のジレンマで現場が混乱するなどである。(製造組織が下請け化するか、中間管理職の権限が製造に及ばないかのいずれかになるリスク。つまりいずれかの上下関係ができてしまう。)
昔、さる大企業の組織を見ていてうまくできてるなぁと思ったことがあって、それは製造、生産管理、設備保全という三つの異なる役割間で三すくみの構造があったことである。
生産管理は営業的立場、製造は品質の立場、保全は運用の立場でお互いをけん制しあっている。3すくみの構造になることで、1対1で、現場ごとの上下関係を作るのではなく、利害関係をうまく3者間という、ある意味安定した関係に持っていっているのではないだろうか?と勝手に想像したものである。
・生産管理は製造の仕事を増やす。(残業の要求による利害をもたらす)
・製造は保全の仕事を増やすことをする。(設備を壊すなどして仕事を増やす利害)
・保全がうまく働けないと生産目標は達成できない。(ここは文句を言える人が配置される?!)
もちろん互いの関係は悪く、駆け引きなどがあったりするようで、外部業者としてはたまらないものがあるわけだが、それでも不満がどこかに集中することなく前に進む要因になっているのなら、この組織を考えた人はアッパレだなぁと思ったものである。
企業として同一の利益を目標にするのだから、そんな甘いことを言うなという精神論はあるだろう。しかし、それを言っちゃおしまいよという話であり、やはりミクロな不満や感情というのを無視することはできない。人の気持ちやストレスは、どんな理性的に振る舞っていても止められないからね。