April 08, 2004
SOHOで仕事をやられている方々など、自分のデータはちゃんと守っていますか?
HDDはある日突然壊れますよー。自分のPCはいつウイルスに犯されてHDDをフォーマットされてしまうかわかりませんよー。
NAS(なす)という製品をご存知ですか?サーバーなどに関わる人なら知っている製品名ですが、一般にはまだまだ認知が薄い言葉です。
NASというのは、それ単体で動作するハードディスクと考えてください。WinやMacからLANで繋ぐことにより、複数のマシンから同時にファイルを読み書きすることができるので、データバックアップやMacとWin間でのデータ共有にも使えるというものです。
最近、ぼちぼち安価なNASが出つつありましたが、今までの安価なNASは、HDDを一台しか積んでいなくて、データバックアップ用途としてはイマイチ魅力にかけていたのですが、ようやく、そこそこ安価で、バックアップ用途に使えるNASがでてきました。
アイ・オー・データ Gigabit Ethernet対応 スパンニングハードディスク
スパンニングハードディスクという意味がちっともわかりませんが、これはHDDを二台積んでいるので、二台のHDDに同時に書き込む「ミラーリング」という構成をとることができます。こういう商品で安価なのは今までなかったのです。バックアップに対するニーズを甘く考えているとしか思えません。(未だ、この製品の売り方も、ミラーリングはオマケという印象はある)
ちなみに一番安い320GB(二台で320GBという意味)の奴は、ミラーリング設定にすると160GB分のデータを保存することができます。
そもそも「ミラーリング」とは、二台のHDDに同じデータを書き込んでくれることを言います。もし、一台のHDDが壊れても、もう一台にはデータが残っています。HDDは消耗品ですので、この隙にデータをバックアップしておけばデータが消滅することはありません。
また、データのバックアップという余計な手間をかけなくて済むことがポイントです。いつもデータを保存する場所としてNASにデータを保存しておけば終了。わざわざバックアップという手間をかけないことで、バックアップ漏れを防ぐことができます。また、不意な修正が発生してもCD-Rに保存したデータの新旧がわからなくなってしまうこともないです。
えふしん家では、以前から手ごろな価格でデータのミラーリングが可能な安価なNASを探していました。仕事のデータバックアップや、MP3のデータを保存しておくためのものです。以前は、手ごろなNASがなかったので、仕方なく自作PCにRAIDカードを差して、HDDを二台乗せてミラーリングしています。単純にデータバックアップの用途だけに、Windows PCの電源を入れっぱなしにするのは、激しく電気代の無駄です。(このマシンを一年間電源入れっぱなしにすると3万円ぐらい電気代がかかる)
その点、専用機器であるNASならば、WindowsPCに比べては電気は食わないので経済的です。
ただ、この製品ですが、まだ問題がないわけではありません。
問題1 HDDが壊れたときの扱い
Webサーバーなどで使っている、値段の高いサーバーの場合は、数台でデータを持ちあっているうちの中での一台のHDDが壊れたときは、電源Onのまま、すかさず生HDDを入れ替えると自動的に壊れたHDD分のデータを復旧してくれる機能があります。
この製品は、ハードディスクを自分で交換することはできません。修理に出す必要があるので、一台HDDが壊れた場合は、中のデータを一度、別のHDDに退避した上で修理に出す必要があります。
また、HDDはフォーマットされて返ってくるそうなので、障害発生時の修正はある意味、おそまつではあります。
しかし、それでもデータが消滅するよりははるかにマシです。
(経験者の格言 バックアップの有り難みは壊れたときに感じるもの。)
そもそも、Webサーバーなどでの入れ替え可能なHDDは値段がめちゃめちゃ高いです。24時間以内に復旧できるような在庫を常時キープしてもらったりしてるわけですから、修理&再フォーマットは仕方ないのかもしれませんね。
問題2 まだ、ほんのちょっと難しいかなぁ???
そもそもこの手のネットワーク製品は、説明書からしてややこしいんです。何故か。
RAIDカードの取り説も面倒くさいので、ほとんど読んでません。そのため、オマケ機能は全然設定してません。読み書きができるように設定しただけです。
こちらは、もちろんIO-DATAですから、他の製品に比べて優しいし、その努力をしてるとは思いますが、MacとWinが繋がるとか、それなりに機能が沢山ありますから、その分、ややこしいかもしれません。そもそも、いつも気になんかしていないAppleTalkとかWindowsのネットワークドライブのプロトコルなんて知りませんよね。普通。
もちろん簡単な管理画面があって、簡単だとは思うんですけど、最初は、ちょっとだけ用語などで苦労するかも・・・とは想像しています。繋いで動けば、ただのHDDなんですけどね。ホント。
今のところ大容量のニーズというのはTV録画データの保存などが注目されており、この製品もその目的を最上段に表示しているのですが、価値観の問題に過ぎないのは重々承知で、たかがTVデータの保存に8万円もかけるか?って話があります。
本来は、安価なNAS(と言っても、ちっとも安くない)は、SOHO用途を狙うべきだと思っており、その中で出てきたミラーリング可能なNASは、ユーザーの利益を守るものとして、8万円の支出は現状ではやむなしという印象を僕自身は持つのですがいかがでしょうか?