March 29, 2004
ちょっと興味深いのは今回の扉は、オフィス領域向けの扉だということらしい。
このビルにおいてオフィルビル用も店舗用も区別がつくか!という印象だが、それはさておいてオフィルビル用にも関わらず、お客をさばくために扉の回転速度を最大速度の3回転/分から、3.2回転/分にチューンアップしていたらしい。
つまり、まとめるとこんな感じになる。
・回転扉は、一般客のためにつけられた扉ではない。
・実際は大量に訪れる一般客のためにも使っていた。
・一般客をさばく目的としては、この扉は性能が低くて使えない。
・そのため想定する最大速度よりも回転速度を上げていた。
これは典型的な人為的エラーを導くロジックであろう。設計、目的、手段がバラバラである。
つまり設計で考えられた目的で運用しておらず、実際は別の用途に使っていた。そのため現実の運用において要求する性能に見合わず、無理やり性能をアップさせていて、そのため安全性能を守れなかった。
更に、自動扉の性能として安全が守れなかったのか、スピードを出しすぎていたため安全を守れなかったのかは不明であるが、とにかく、その場で挟まれた子供を救出する手立てがなかった(挟まれたあとに、数人で逆方向に回しても動かなかった)そうだし、速度を営業上の理由で速度を上げていたのも確か。
何故、想定していないオフィス領域の扉に、一般客が来ざるを得ないのか?というのは、純粋に人が多いから仕方ないのか、運用としてそれを良しとしたのか、それとも全体の作りとして、この扉に一般客が入ってくることをアフォードしていたのか(つまり自然に歩いてると、みんながこの扉に入りたくなった結果、回転スピードを上げざるを得なくなったなら、ナビゲーション設計に問題があるよねという考え方も可能)、いろんな意味で学ばなくてはいけないことは多いと思われる。