February 21, 2004
ショッキングな特許取得。地図画像の上に、お店や交通情報を重ね合わせて表示する技術がKDDIにより特許化されました。
「特許第3503397号」、「地図表示システム」だそうです。特許の電子図書館がメンテ中で、詳細情報を調べてないので、どこまでの範囲が特許なのかわからないですが、「インターネット上」というところに肝があると想像されます。じゃないと、カーナビがあるのに何が特許やねん!という話でしょうから。
KDDIは前からSVGの推進に力を入れており、ビジネス的にも重要なテクノロジとしているようで、SVGでの利用に限り特許使用料を無料にするとのこと。
実際に地図データを取得しようとすると、地図情報のASPサービスと連携する必要がありますが、その場合、ビットマップより遥かにSVGの方がデータの取り扱いは楽なので、地図を扱うならSVGが本命の選択で、事実上無料と考えても良いのかもしれません。
あとは、そういうのを取り扱いやすいデバイスが沢山登場する必要があるわけですが、できればポケットPCとかで動いてほしいなぁ。AdobeのSVG ViewerのポケットPC版とか出ませんかね。しかも、大事なのはアプリケーションからDOMを自在にコントロールできることですね。JavsScriptのイベントも投げあえることも必要です。
しかしながら、SVGはデータの扱いは楽ですが、構造化データをDOMに展開するからには、モバイルにとっては、やはりヘビーアプリケーションであることには違いないと思うので、そういうのが楽に取りまわせる性能を持ったデバイスこそが必要で、それがないと現実的に絵に描いた餅にしかならないところでしょう。少なくともナビゲーションとはリアルタイムで連携できてこその地図でしょうし。
最近、この辺ウォッチしてないので、今、どこまでのパフォーマンスが出ているのかは知りませんが、以前テストした、PocketPC2002では、csiroのSVGビューワーではメチャメチャ遅くて、まともに絵を作ると、とてもじゃないけど、まだ、こりゃ使えんと思った次第です。テスト機は、XScaleではなかったので、今はちょっと事情が違うのかな?!
あと気になるのはデバイス向けのFlashで、この特許で、大事な地図を押さえられてしまったということでしょうかね。そもそも現状、Flashに良い感じに地図データを供給する手段がないわけですが、ビットマップを使ったとしても、大きな足かせになると思います。FlashもSVGのレンダリング機能を載せるべし。ムービークリップがSVGで構成できたら可能性は非常に広がると思いますけどね。(その前に、透過可能な画像データをムービークリップにLoadMovieさせてくださいっ!)
すると、実は、Flash = DoCoMo , SVG = auという代理戦争的な構図があったりするんですね。そういう構図での足の引っ張り合いは嫌だなぁと思いつつ、SVGがもっと普及して欲しい部分もあり、いろいろ思うところはありますね。
しかしながら、Flashの方が性能は高いけど、お金がかかるので地図は使えない、でもSVGは遅いし、使える汎用的なモジュールもないので、どっちも使えないという悲惨な状況だけはならないことを祈ります。