February 07, 2004
「シングルタスクな人」というのはオトナ語の部類に入るのだろうか。ここまでは割と一般的な「オトナ語」的に、会社で使っている。
いきなりネガティブな話だが、ある一点の仕事に負荷が集中すると、他が見えなくなって、まるで全部が忙しくなっているように振る舞ってしまう人である。
こういう人は職人的趣向を持つ人が多い印象。スペシャリストタイプが多い。車の運転が苦手なんてのと似たような話なので傾向として女性に多いかな?
それに対して、
「ノンプリエンプティブマルチタスクな人」ってのがいて、同時並列的に器用に仕事をこなすことができるんだけど、負荷が高まってくると全部の仕事のクオリティが下がる傾向にある。
こちらは、どちらかというとゼネラリストタイプな人に多いと思われる。
もちろん何を持ってして高負荷であるか?という処理能力こそ個人の能力、体力にかかっているんでしょうな。ふむ。
本当は、「プリエンプティブなマルチタスク」・・・・つまり、優先事項をちゃんと決めていて、守るべきタスクを最優先に、そうでないタスクは優先順位を下げてこなすのが理想だが、こればかりは会社内の環境にもよるだろう。誰がリソースマネジメントをするか?という意味で、制御が利かない立場の人は、必然的に選択肢がないわけなので。
さらにコンピューターで言うなら、どんなUnixでも大量のアクセスがあればリソースが枯渇して落ちるという現象はあるわけだが、それは抽象化された人間として置き換えれば、人間の場合は、無理は健康の不調ということで表面化する。
あらゆる優先事項は個人としての自分、社会人としての自分という価値観の中で、最終的に自分が「守りたいもの」なので、あまりに負荷が高くなってくると、カーネルとしての「自分」を守るために会社辞めちゃったりするのは現実的な選択であろう。洒落になってない話(笑)
だからプリエンプティブなマルチタスクというのは社会においては存在しなくて、いくところまでいけば退職という形で、ある集団から消滅してしまうというのであれば、それもまたノンプリエンプティブと同じであると考えられる。結局、本人のスペックによって、限界の境界線は違うのであれば、実質的に同じであるみなせるでしょう。
実は、仕事におけるシングルタスクとは、究極のプリエンプティブなマルチタスクとも言えるわけですね。忙しい会社で長生きする秘訣とでも言いますか。文句を言いつつも、自分の操(?)は守る人という感じ?!
このエントリの論点は、シングルタスクな人とノンプリエンプティブな人で、どういう業務が向いているか?という話になるのですが、先日、ソースコードの品質管理の面で、自分のチームの品質管理のための業務ルールの都合にあわせてもらうために、追加の仕事をお願いしなくてはならない・・・要は、ソースコードを変えたら、どういう意図で、何を変えたのか?を、ちゃんと履歴に保存する・・・という当たり前のことですが、そんなときに、「ノンプリエンプティブな人」は「シングルタスクな人」に比べて、信頼しにくいということが自分の中で判明しました。
ノンプリエンプティブなマルチタスクな人は、個人の負荷が高くなると、そういう「こっちがやって欲しいこと」はおざなりになる傾向があるので、口すっぱくして文句言わないとイベントが返ってこないことがあったり、そもそもその事実が隠蔽されてしまったり。要は細かい運用では、あまり信用できない。
それに対してシングルタスクな人は、「一つ一つをきっちりと」やる傾向にあるので、ルールを守るとかはちゃんとやってくれるので、少なくとも「その仕事では信頼できる」。
しかし、同時並列的に処理するときは、クオリティが下がっても対応すべきという局面もあるので、結局は、「あなたはスペシャリストになりたいですか?ゼネラリストになりたいですか?」という話に落ち着くだけの話なんですけど、そんなことを昨日一日考えていたな・・・と。
僕の場合は、どちらかというとシングルタスク傾向にありますね。少なくとも自分にとって、今、メインだと考える大きな仕事にはまった時は、それに集中したいと思うタイプで、他の仕事はおざなりにしたいと要望するタイプであります。つまり集中してるときに、他の仕事の話が来たら、あからさまに嫌な顔しちゃったりして、これって性格なので許してね >関係者おおる。
----2004/02/21追記
「プリエンプティブ」という言葉を、「プリエンティブ」と間違えて記述しておりました。ただしくは、「プリエンプティブ(preemptive)」ですので、本文を修正させていただきました。ご指摘ありがとうございました。