January 08, 2004
テレビの動画CMにホットスポットを表示し、アイコンでクリックさせると商品のWebサイトなどにリンクさせる技術の特許出願
試しにネットバブルがはじけた直後の2001年あたりから検索してみました。
以下、権利化はされておりません。権利化の審査請求は行っているようですがステータスは確認してないです。
【公開番号】特開2001-245273(P2001-245273A)
【発明の名称】リアルタイム対話式電子商取引 を可能にする方法およびシステム
【出願日】平成13年1月10日(2001.1.10)
【審査請求】有
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレ-ション
【F-shin解釈】
ケーブルTVのCMに、ホットスポットと呼ばれるハイパーリンクを埋め込む手段の出願である。従来の手法としてMpeg2動画の中にリンク情報等をサブ情報として埋め込み、そのデジタルデータをTV映像の上にオーバーレイ表示することで、ECサイトにナビゲーションするという仕組みがあるのだそうだが、実際、放送設備によっては、そのリンク情報が消えてしまったり、不意にCMの放送タイミングがずれてしまうと、ホットスポットの表示タイミングがずれてしまったりして悲しかったという問題を解決。
XML形式で書かれたホットスポットの表示タイミングや、映像上の位置、リンク先などを含んだ情報を別途インターネット回線などで送信する。そして、この特別なTVは、実際に流れている映像は、いったい、何フレーム目を再生しているのか?を知ることができる。
この二つをかけあわせることでタイミングがずれることなくホットスポットをオーバーレイ表示することができる。
また、このXMLデータ自体は、すかさず入れ替えができるので、放送の都合でCMタイミングがずれてしまっても、すぐ新しい情報とアイコン画像が生成されるため、無事、ホットスポットが正確に表示され、画面上をクリックすると商品キャンペーンのWebページなどに飛ぶことができる。
この辺の配信側から受信側にまたがる広範囲な仕組みとシステムを出願している。
【F-shin考察】
デジタルTVで動画コンテンツ自身にメタ情報が埋め込まれたら不要ですな。
そもそもSMILに近いと思いました。SMILとは、時間軸に同期するマルチメディアデータの再生手順などを記述するXMLの仕様でW3Cで勧告されているフォーマットです。
これを使うと、いつ、どういうコンテンツをどの位置に表示しなさいみたいなことが指示できます。
RealPlayerのSMIL定義を参考にするとホットスポット的なものもあり、これで実現することができます。
ということで、完全に技術寄りの話で、あまり面白くなかったです。ごめんなさい。
ちなみに、ホットスポットを経験されたことがない方は、一度、どこかで見ておくことをおすすめします。
よく昔見たデモの例だと、ミッションインポッシブルで、トムクルーズがかけているサングラスにマウスカーソルをあわせクリックすると、同じ型のサングラスを売っているWebサイトにリンクするというデモが有名です。ストリーミングデータやMpeg4では、そういうのが動画ファイル内に同居することができて、見るとなかなか面白い。でも、埋め込む作業は、とても手間のかかる作業であるという代物です。
ただ、あのタレントの着ている服を買いたいと思ったときに画面をクリックしたら買えるとかはアリでしょうね。デジタルTVは、そもそもこの辺が売りだったと思うので、単純にコンテンツサイドでカバーするのが現実的でしょうが。(クリックしたり選択した画像データから、Googleのイメージ検索みたいのに繋がったら面白いかな。夢のようなテクノロジかもしれませんが。)
【注意】このエントリに対し、正確な情報が知りたい場合は、特許電子図書館から検索してください。この記述情報は私の主観で記述されているため正確性は保証いたしかねますのでご了承ください。