January 07, 2004
クリックアンドモルタル(ひょっとして死語?)を地で行く仕組み。EC関係権利化済み特許 第六回目
この会社、車のホイール屋さんですか?Web上の住所と権利者の住所が違うのですが、特許の詳細説明にも車ネタが登場してたので、きっとそうだと仮定。
【特許番号】特許第3482998号(P3482998)
【発行日】平成16年1月6日(2004.1.6)
【発明の名称】電子商取引 管理サーバ及び電子商取引 方法
【氏名又は名称】株式会社クリムソン
【出願日】平成12年3月23日(2000.3.23)
【F-shin解釈】
こちらが車のホイール屋さんと仮定するとわかりやすい特許。
ECで車のホイールを売るとしましょう。当然、ホイールなんて自分でつける人はいないので、どこかのカーショップでホイールをつけてもらわねばならない。またホイールなんて大きいもの、宅急便で送られてきてもウザイだけ。
ECサイト上で自分の住所を入力します(郵便番号で良いのかな)。すると近隣の提携カーショップが紹介されますので、Web上で購入した場合は、そこでホイールを車に取り付けることができます。この場合ECサイトは、カーショップに対し手数料を支払うことになりますが、その情報をWebサーバーに蓄積していくことができます。
特許は、以下の仕組みが揃っている場合にのみ成立します。
・店舗情報を記録する手段
・顧客住所から、紹介する店舗を検索する手段
・紹介店舗への手数料を記録しておく手段
・ECサイトが紹介店舗へ支払うの手数料を保存する手段
このような仕組みを実現するシステムおよびECの方法の特許である。
【F-shin考察】
一瞬、手数料の流れが逆と思いました。いわゆるインターネット上の情報仲介サイトは、リアルな店舗から顧客紹介料としてWebサイトに向けてお金が流れるのが普通ですが、この特許は、ECサイトからリアルな店舗に手数料が流れる仕組みのようです。
詳細説明にはこうあります。
・顧客情報をリアルな店舗に残さないと、折角の販売機会を失う。
・購入情報をリアルな店舗にひもづけないと、商品取り付けやアフターサービス時の購入証明の特定が困難(他の激安ショップで購入して持ってくることに対するガード?)
・ロイヤリティをリアルな店舗に計上しないと、店舗側のビジネスにならない。
すっかりWebがリアルなビジネスを潰すなんて議論は消えてしまいましたが、松下電器がECサイトをやるなら、こんな感じにすればよかったのに。
携帯のGPSなどを元に地域検索してパーソナライズする仕組みというのは、当然、今後の主流ですから、その辺を特許で押さえられてたらどうしようと思ってましたが、そういうのではないようですね。
(それ自体は、別途出ていそうですが。今は「電子商取引」では権利化されていません。)
【注意】このエントリに対し、正確な情報が知りたい場合は、特許電子図書館から検索してください。この記述情報は私の主観で記述されているため正確性は保証いたしかねますのでご了承ください。
さて、次以降は、新たに権利化された特許が追加されていないようなら、まだ権利化されていない特許にフォーカスしていきたいと考えています。キーワードは「電子商取引」で。
権利化されていない特許は、まさに「夢」と「希望」と「アイディア」の宝庫です。