December 09, 2003
この本は、サプライチェーンマネジメントなどの業務システムのSEには必読かも。
外食フランチャイズ(FC)産業の成功ストーリー本としての側面だけでなく、ネットワークを活用した販売管理システムの話が惜しげもなく語られている。
リアルタイムに人件費を確認することでマネジメントできる。また、FCに加入している他店との売り上げや、支出の比較ができることにより、さらなる業績向上の仕掛けがシステム化されていて、FCのメリットを生かした横の繋がりをシステムで実現している。
あれもできます、これもできます。小難しい用語で、一体何に役に立つのかかわからない複雑な機能を紹介するシステム本ではなく、この会社のシステムを使って、不慣れで不安な新規出店のオーナー、店長たちは何を実現していきお金を儲けていくのか?ということがとてもわかりやすく書かれており、生きた資料として非常に参考になる。
アマゾンの書評で、この本をマネしても意味がないという批判があったが、だからこそ、この本のオープンさに価値があるのではないだろうか?常に変化していき、こんなに自社の内情を公開しても痛くない、その意味にこそ学ぶことがある。彼らの仕事は「しんどい」仕事だからこそ、よそにはできない、差別化できるというのは、非常に参考になるキーワードです。
本書は、決して外食やフランチャイズだけの話ではない。マネジメントの基本的な話と、それを生かすためのシステムの話が語られており、すべての「人間が働く業種」に当てはまるマネジメントの本の言えるのではないだろうか。
店は店長以上の力量以上の店にならないというのは、すべてのシステム開発やWebサイト運営にもそのまま当てはまる内容だと思う。
この本の外食というキーワードをコンピュータ産業に置き換えれば、そのままSE本になるのではないだろうか?モノ作りという側面からもそうだし、アルバイトやパートなど外部リソースに頼る業種という意味でも、ソフトウエア産業と本質は全くもって同じだなと思う一冊である。