■オンデマンド
「必要なときに」という意味で、ユーザー一人一人が、見たいときに見たいコンテンツを再生しますという意味。
■ライブ配信
TVの生中継と同じく、ライブ会場のカメラ画像をその場でリアルタイムエンコードして配信する技術。IR発表会から有名なアーティストのライブなど、安価な放送手段として人気が高い。しかし、大量の人が見に来ると1台のストリーミングサーバーに多大な負荷がかかるため、それらを回避すべく設備が大げさになるのが課題。
■疑似ライブ
インターネットラジオなどで使われる技術で、音楽データファイルをリアルタイムエンコーディングしながらライブ配信することを言う。オンデマンドに対するメリットは、CMなどを差しこみやすい、定時に別の番組を差し込むことが可能など。
MP3ファイルなどの圧縮データがソースだと、配信時にもう一度エンコードすることから音質が落ちるため、Windows2003に搭載されているWindowsMediaServiceでは、エンコーダーを使わない方式での疑似ライブ配信に対応している。
■配信遅延
ライブ中継するときに実際に起こりうる遅れの要素は以下のイメージになる。
配信遅延=エンコーダーのエンコード速度 + サーバーからインターネットを経由するときの配信経路のロス + (ルーティング、キャッシュサーバーの有無) +
エンコードデータのキーフレームまでの待ち時間 + その他
もっとも遅いのはエンコード速度であり、30秒ぐらいの遅延は見ておいたほうがよい。
また、プレーヤーはキーフレームと呼ばれる単位時間からしか映像を再生できないので、キーフレームが訪れるまでの時間が再生誤差になりうる。つまり、同じネットワークのとなりのマシンで同じライブ画像を再生しても、数秒から10秒ほどの誤差は出る。
■ファストストリーミング/ターボプレイ
ストリーミング再生時のバッファリングを減らすべく作られた技術。
ファストストリーミングはMicrosoftの用語で、ターボプレイはRealNetworksの用語である。
やっていることは単純で、ネットワークに余裕があるなら一時的に大量のデータを送受信させて、バッファリング時間を減らしましょうというもの。当然、帯域に余裕のない回線ではこういうことはできない。
frjbでも、HelixServerとRealOnePlayerの組み合わせでターボプレイに対応している。再生して、1秒以内に頭出しができるのはインターネットを挟んでいることを感じさせない。
この技術の代償として、みんながこの技術でサーバーにアクセスするとネットワーク帯域を一瞬でも使い果たすことが考えられる。そのため、Windows2003のWindowsMediaSeriviceには、1クライアントあたりにどこまで帯域を解放するか?という設定ができるのだが、HelixServerには見あたらない。いいのかな。
■ユニキャスト
直訳すると、「ユニ=単一」の放送・・・・で、ストリーミングサーバに1クライアントが接続を1つずつ行うことで、データを配信するもの。現在主流の接続方法である。
現状のインターネットストリーミングでは、みんながライブ配信しているサイトにアクセスした時、実はストリーミングサーバー側で、アクセスしてきた一人一人にライブのデータのコピーを作って配っている状況である、これはどう考えても激しく効率が悪い。
大規模なアーティストのコンサートともなると一台のストリーミングサーバででこれらをさばくことは到底無理なので、数台のサーバにエンコードデータをわけて配信したり、さらに大規模になると、ISPの方にキャッシュサーバを配置して、サーバーを多段にして配信するようなことをしたりしてる。
(こういうのをCDN(content delivery network)とか言ったりする)
■マルチキャスト
ユニキャストと対になる技術で、ストリーミングデータを受信したい複数のクライアント達が、一つのストリーミングデータを受信することで、ストリーミングサーバの負荷を劇的に引き下げる技術。ユニキャストが電話なら、マルチキャストは、電波を受信するために放送局にチューニングをしたラジオを想像するとわかりやすい。
しかし、こんな便利なものが現在、普及していないのにはワケがあって、現在インターネットで使われている設備では残念ながら、この機能は使えない。
しかし、IPv6という新しいインターネットの普及によってインターネットの設備のリプレースが起きると、自動的にマルチキャスト対応のネットワークができることから、現在のように大量のユーザーへの配信が向かない状況が一変することから非常に普及が期待されている技術である。
当たり前だがマルチキャスト時には、同じネットワーク内では理論上、まったく同じタイミングで映像が流れることになる。
■プロトコル
プロトコルとは「お約束、ルール」のような意味である。
TCP/IPとかHTTPと名の付く物がそれで、通信手順とも呼ばれる。
これらのプロトコル扱えるソフトは互いに通信しあえる保証があるということを表している。
また、業界用語で通信することを「しゃべる、話す」 例:「HTTPでしゃべる」とか 言ったりするので、「英語」や「日本語」というものだと思ってもらうとわかりやすいかも。
ストリーミングでは、rtsp,mmsと言ったプロトコルがある。
rtspは、Real Time Streaming Protocolの略語でストリーミング配信用の標準的なプロトコルである。主にRealOnePlayerで使われていることで有名なプロトコルである。
mmsは、WindowsMediaPlayerで使っているファイルの呼び出し名であるが、mmsは実はプロトコルではない。mmsと記述されていると、UDP/IP接続、TCP/IP接続、HTTP接続の中のどれかで繋がるものを順番にトライしていくという仕組みの記述方法である。この辺は、言ってることが結構ややこしいのでわからない人は、「自動的に繋がるものに繋げに行く技術である」と理解していただければ良いと思う。
■ VOD(Video on demand)
ビデオオンデマンドとは、ユーザーが見たいときにビデオを見るというもので、ガンダムなどがインターネットで見られるアレである。
10年以上昔からビデオオンデマンドという言葉は叫ばれていたが、インターネット時代になってようやくインフラ的には普及する糸口ができた。しかしながら、ビデオ出演者の権利関連、コンテンツホルダーがビデオをコピーされてしまうのではないか?という不安感などから、なかなか本格普及するほどの下地が揃わない。
また、同様に音楽配信も日本は権利が厳しくて本格普及する兆しが見られない。アメリカではインターネット放送でラジオが聴けたり、アップルのiTunesで音楽が99セントでダウンロードできるそうだが、日本ではインターネット向けに特別に用意された番組でライブ感に乏しく全然楽しくない。frjbを作ろうと思ったきっかけには、こういう日本のインターネット環境に対する不満のはけ口という側面もある。
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